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ヘンク・フィシュ Henk Visch

1950年オランダ、アイントホーヘン生まれ。同地在住。
ヘンク・フィシュは詩人のような独特の思索と哲学的なイメージの探求からフォルムを導き出し、思想の形態を擬人化した立体や、抽象的な造形の彫刻で知られている。製作を通じて人間の多様な精神や意思を形態化することで、個人や社会とアートとの関係性を見つめ、その対話は作品に還元される。製作にはブロンズを始めとした金属質の素材を使用することが多いが、作り出される様々な造形は、素材が持つ元来のイメージから離れ、見る者の感覚に新鮮な出会いをもたらしている。

作品はこれまで、ミュンヘン、ロッテルダム、アントワープなどヨーロッパ各地の公共空間に設置されている。最初の作品は560cmの橋で、現在クレラー=ミューラー美術館(オッテルロ、オランダ)のコレクションに加えられている。ヴェニス・ビエンナーレ(1988)、ドクメンタ9(1992)をはじめ、数々の展覧会に出品。2000年代に入ってからは、西沢立衛建築による森山邸での展示(2006年)や、伊東豊雄設計によるシンガポールVivoCity(2006年)や北京(2009年)でのパブリックアートプロジェクトに参加するなど、アジアでも活躍の場を広げており、オランダを代表するアーティストとして世界的な評価が定着している。2012年、オランダのアメルスフォールト美術館で開催された回顧展は大好評を博している。2014年、北京の中央美術学院(CAFA)に招かれ、長期滞在して教鞭を執った。

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