ラウル・デ・カイザーRaoul De Keyser

biography

1930年ベルギー、タインゼ生まれ。2013年に同地で没。「画家の中の画家」と呼ばれ、具象と抽象の垣根を超えた本質的な表現を追求した絵画で知られる。美術批評とスポーツ記者のキャリアを経て美術大学に入学。60年代には雄大な絵画史を抱くフランドル地方でポップアートを牽引していたロジャー・ラヴェールが率いる「Nieuwe Visie」に参加し、続く70年代から本格的に油彩画に取り組む。長いキャリアの中で表現は変遷するが、カイザーの目にすぐ映る身近なものを、その時の直感にもとづいて抽象的な形に抽出し、それを繰り返し描くというスタイルは生涯変わることがなかった。イメージが成立する最小の構成要素を追求しながらも幾何学的な表現に留まらない柔和な描線は、従来の厳格な抽象絵画と大きく異なり、結ばれていくイメージの行く先は鑑賞者の心象風景と融合していく。

Full CV (PDF)
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2019年国立国際美術館「抽象世界」での展示風景
Photo: OMOTE Nobutada
Twins
2007, oil and charcoal on canvas, 32 × 47 cm, 個人蔵
お化け
2007, oil on canvas, 34 x 28 cm, 個人蔵
無題
2007, oil on canvas mounted on wood panel, 27.2 × 20.0 cm, 個人蔵
Upper
2006, oil on canvas mounted on wood panel, 21 × 40 cm, 個人蔵
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